KYUATSUテクノロジー

当社の「ものづくり」は、日本におけるコンクリートポールのパイオニアである
日本コンクリート工業株式会社殿からの技術供与を受けスタート。
60年を超える歴史の中で、九州ならではの風土・環境、
そして、お客さまから頂いたお悩みをヒントに創出したオンリーワン技術の一部をご紹介します。

60年を超える信頼と実績

1958年(弊社製造初年度)に製造した
コンクリートポールが現役で活躍中

コンクリートポールは耐久性に優れ、他の素材製品と比べ経済性に優れたインフラ設備という特長を有しています。この特長は、コンクリートポールを構成する「コンクリート」と「鉄筋」の相性の良さ、すなわち、以下に示すように互いの長所が短所を補完しあう関係に起因しています。

  • ①圧縮に強い性能を発揮する「コンクリート」と引張に強い性能を発揮する「鉄筋」の複合構造により、コンクリートポールに求められる性能を経済的に実現
  • ②製造時に伸ばした鉄筋が製造後縮む力を利用してコンクリートに常時圧縮力を加える「プレストレス」構造により、コンクリート表面のひびの発生を抑制し、コンクリート内部への雨水浸入による中性化と鉄筋の発錆を抑制
  • ③コンクリートの強アルカリ環境が鉄筋の発錆を抑制

この基本的特長を十分引き出すために、コンクリートポールメーカーとして、次の4つにこだわったモノづくりを行っています。

  • ①確かな材料選定:
    JIS適合はもとより、製造方法と使用実績、試験データに基づく材料選定
  • ②徹底した品質管理:
    独立した検査部門によるJIS並びにISO9001に沿った品質管理
  • ③品質管理から製造管理へのフィードバック:
    品質に関する些細な情報も共有し製造行程へ反映
  • ④最適な製品設計:
    設置環境やお客さまから得られる情報に基づく製品改良、最適設計
1958年に製造したコンクリートポール

台⾵に強い「しなる電柱 Yポール」

Yポールの最大の特長は“しなり”

軸方向鉄筋の横方向拘束力を高めることにより、コンクリートポールの曲がり性能(しなり)を大幅に向上させることに成功しました(特許取得)。また、この構造により軸方向鉄筋の能力を最大限引き出すことができるようになり、従来品より少ない鉄筋量で必要な強度を引き出すことが可能となりました。Yポールは1998年以来、20年間以上に亘り生産を続け、現在も電力・通信インフラの強靭化に貢献しています(九州電力殿、NTT西日本殿の形式承認取得済)

開発の背景

1991年、九州西岸を通過し長崎県佐世保市に上陸した台風19号は、最大瞬間風速が鹿児島県甑島で88m/s、熊本県阿蘇山で60.9m/s と猛威を振るい、九州電力管内で支持物被害約20万本、停電戸数210万戸の甚大な被害をもたらしました。この災害を契機に、コンクリートポールの強靭化が喫緊の課題と位置付けられました。1995年、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)により被災した高速道路橋脚の構造分析から、私たちは軸方向鉄筋の横拘束力を強化することで、経済的にコンクリートポールを強靭化するヒントを得、1997年、Yポールの開発に至りました。2016年のJIS改正に伴いJIS認定取得しています。

台⾵に強い「しなる電柱 Yポール」

⼭岳狭⼩地帯でも建設可能「多分割柱」

最大の特長は山地での建設を可能にした
“クレーン不要”の多段式継コンクリートポール

<特長>

  • クレーンが使用できない場所でも、専用の鋼管台棒を使用して施工が可能
  • 樹木越えでの長径間ルート(最大500m)の建設が可能であるため樹木倒壊による停電事故リスクが低減
  • 継柱作業が高所となるため簡易に施工できるフランジ式を採用したことで、作業時間が短縮され安全に施工
  • 鉄塔に比べ、基礎が小さく、部材が簡単かつ少量であるため材料費・工事費ともに安価
多分割柱
継コンクリートポールの分割例

<用途>

1983年開発後、山岳・森林ルートや海峡・河川横断などの架空配電線路にご利用。

<建柱方法>

台棒建柱。クレーンが使用できない山間部等においても、専用の鋼管台棒を使用し施工が可能。

<使用事例>

一般道路を利用した架線ルートでは、河川横断・トンネル通過が必要となり、ルート確保が困難であったため、山間部に多段式継コンクリート柱(B柱、C柱)を建柱し、河川横断及び樹木越えによる最短かつ供給信頼度の高い架線ルートを建設。

(B柱~C柱間)装柱架線
34.5m-1500kgf(H柱)×2基、線路径間約186m

(A柱~D柱間)
架空地線 AW38㎟×1条、電力線 6.6kV AL-OC200㎟×6条

画像 @2020 Google, 画像 @2020 Airbus, Maxar Technologies, 地図データ @2020
延岡市北川町川内名地内 : 32.711884 , 131.701708